だけど、私が中学3年のクリスマスイブの夜に、母は知らない若い男と家を出ていった。
“行かないで”と泣き付く私に母は怪訝そうな顔で、
『邪魔……。アンタなんか産まなきゃ良かった。』
そう言った。
母親っていうのは、無償の愛をくれるものだと思ってた。
どんな仕打ちをされても、少しは私に愛情があるんだって信じてた。
いつか小さい頃のように優しく抱き締めてくれる日が来るって。
だけど、そう思ってたのは私だけだった。
追い討ちをかけるように、そんな母のことを父は
“しょうがない”
の一言で片付け、あっさりと離婚が成立した。
そんな一言で片付けられる二人の間に生まれた私は何者なんだろう…。
この世に存在してることすら嫌になった。
“絶望”それしかなかった。