一人きりの部屋。

さっきから何度も頭の中でリピートしてる。

“嫌い”

翔にそう言わせてしまったのは私自身なのに。

私の嫌な部分をそう言っただけ。
わかってるのに、私の存在自体を否定された気持ちになる。

被害妄想もいいとこだ。


誰かの言葉を素直に受け入れられなくなって、何かを信じたりすることにも意味なんかないんだって思うようになった。

人の気持ちがいい例だ。

こんなに不確かで変わりやすいものはない。

そんなものに必死にしがみついている人を見ると、おかしくてしょうがない。

昔の私を見ているようで、吐き気すらする。

傷付いて、悲しくて、辛くて、涙すら出なかった。
人は本当に悲しいときには泣くことも出来ないと知った。


まだ、私が愛があれば何でも乗り越えられると信じていた頃の話。