「それはないよ…。でも、今、やっと見つけられたような気がするんだ。それに手を伸してみたいけど、…………怖い。」
だって、私は今有り得ないことを考えてるから。
表面上の居場所かもしれない。
やっぱり違ったって思うかもしれない。
だけど、触れてみたくて、この世界が変わる気がしてる。
貴弘の気持ちを受け止めて向き合おうと考えてる。
あんなヤツだけど、きっと私への気持ちは嘘じゃないってわかる。
もしかしたらって思った。
これは今も降り続けてる雨のせいかもしれない、ただ過去をうやむやにする為の気持ちかもしれない。
今はわからないけど、この暗闇から救ってくれるなら、抜け出せるなら理由なんてなくたっていいと本気で思った。
アイツの愛に触れてみたいと思った。