--パシッッ!!--


その時だった。


光喜に触れようとしてた清の手は

光喜によって振り払われていた。


『あッ!違う!清!!
 …ごめん…。』

「・・・・・。」


どうしよう…。

すっごく逃げたい。ヤだよ…。


「清、ジュース取って来るね…」

『待って清!!違うんだ!!』


光喜の言葉なんか耳に入んなかった。

ただ、自分が切なかった。



キッチンに座りこむと

清は落ち込んだ。


愛されてなかったんじゃないか。

ホントは自分だけが好きだったんじゃないか。


光喜は清の事…どうでも良いんじゃないか…。


嫌な事しか考えられなくて、

光喜が清の手を振り払ったシーンが

頭の中でリピートされいた。


「清じゃ…不満だったよね…こん
 なおこちゃま嫌だったよね…」

『んな事ねぇよ。』


清の目の前には、

部屋に置いてきたはずの

光喜が立っていた。


『んな事ねぇよ。清。』