~水曜日~
今日、
テストだった。
テスト、
終わったら、
三年生より早く帰るんだ。
いつもなら、
早く帰りたくて
休憩時間に
帰る準備すんの。
ご飯食べて、
先生とさよなら。
掃除に入る、
三年生。
いつもなら、
私も掃除するのに。
掃除終わったら、
先輩見れるのに。
今日は一回しか、
先輩を見れなかったよ
寂しい...
ご飯の前、
保健室で
爪、切った。
伸ばしてた
爪。
テスト中、
鬱陶しくて
剥いちゃった。
本当は、
先輩からもらう予定の
第二ボタン、
もらうときに恥ずかしくないように
伸ばしてたのにね。
慣れない
爪きり。
変な形。
こんな手じゃ、
先輩に
ボタン
もらえない。
恥ずかしいじゃん。
まあ、
貰う予定なんて、
最初から
全く無いんだけど。
痛い。
切りすぎた、
爪が痛い。
バカだ、
私。
形の悪い爪。
変な、
私の爪。
中指の
爪が
割れた。
~木曜日~
掃除前の
五分間。
いつものように
グラウンドを見る
風が吹く
砂が飛ぶ
先輩は、
...居ない。
今日と
明日は
掃除なしの
四時間授業。
毎日のように
見る
先輩の姿が
今日はなくて
気持ちが込み上げて
涙が浮かぶ。
明日も
先輩の姿は
ないのに...。
こんなに
寂しくて
哀しくて
辛いのに...
こんな
毎日が
これから
ずっと
続くなんて
想像
出来ない、
したくない。
辺りを
見渡しても
三年生の
姿はなくて
先輩の
姿も無くて
私の
思いだけが
ここに
立ち止まっている。
行かないで...
行かないでよ...
ねぇ、
先輩...。
まだ、
私、
先輩に
言えてないコト
いっぱいあるのに...。
今日、
言おう。
思ったときには
遅かったんだ。
今日は
一度も
先輩に会ってない
廊下も、
階段も、
教室も、
保健室も...
さりげなく
探したのに
今日、
会えなかった。
何かに邪魔されたみたいに
会えない、
寂しい日が続くよ...。
先輩の
大きな背中。
後ろ姿を見ただけでも、
心は弾んむコトが
出来たのに、
今日は
それさえも
出来なかった。
ねぇ、
先輩。
私の
気持ちに
ちょっとは
気付いてるのかな?
言わなくても
伝わってるかな?
先輩を
見つける
速さなら、
絶対
誰にも負けないよ。
オリンピックにも
出れるよ。
のび太が
寝る速さよりも
きっと
速いよ。
自信、
あるよ。