「おはよう。」



恵深が元気良く声をかける。



私は窓から桜を見ながら答えた。



「おはよう。」



「ハル、

こっち向いて挨拶してよ。」



そう言われるのは初めて。



「うん、恵深、おはよう。」



「そうよ。

その調子。

ところで何を見ていたの?」



不思議そうに、聞く恵深。



「桜よ。

綺麗じゃない。

ヒラヒラ揺れるピンクの花弁。」



「ところで、
恵深はこんなとこ来て
何をしてるの?」



私は素直に不思議に思った事を聞いた。



「私は、教師。

4月からだけどね。」



「ふーん。」



私達の会話はこんな風だった。