【ピッ、ピッ、ピッ】



そんな機械音で目を醒ます。



目が霞んで、ボヤけてしか見えない。



体がとっても重く、呼吸も管に繋がれているためか、上手くできない。



「深也美、遅れてごめん。

花瓶の花を変えるわね。」



その声は恵深?



良く目を凝らす。



【カッシャーン】



急に陶器の割れる音がする。



恵深は余程焦っているのだろう。



「先生呼んで来るね。」



ぱたぱた走り去っていく。




病室の窓では桜の花びらがヒラヒラ舞っていた…。



深也美を見守るように…。