また意味不明な唄を
歌い上げていた

そこへ別の刑事がきて耳元で囁いた

『養護施設にいた人全員が首無しの死体で転がっていました』と耳打ちすると

それを聞いた刑事は
女の子を見て険しい顔をした

「この子が犯人だと?」訝しげに見つめるが少女の視線は定まらずに唄ばかりを
歌い上げていた

法律上逮捕等出来ない年齢で警察は手を拱き事件は継続扱いのお蔵となった

昭和63年夏

六綉弭賀埼村でレジャー施設建設の話が出て

村民が白紙にするように
訴える活動が行われた

役場と建設推進派と反対派の言い争いが激化し。

怪我人が出る始末となった

建設工事は開始され妨害等受けたがそれでも工事は進められた

そして事件が起こった
現場作業員が突如奇声を 発して作業員同士で殺し合いを始めたのだった

推進派の男が様子を見に来た時ヨダレと涙目な 現場監督が一人呆然と
うなだれる感じで笑っていた

推進派の男は現場監督に近づき声をかけた

「監督!い、一体何が…………」と言うと現場監督が推進派の男に気付き顔を見上げる形で見る

「あ・・・あいつらが俺を俺を殺そうとするから殺してやったんだ!俺の寝込みを襲ってきて!」と怒鳴り声を上げる感じで推進派の男に言い放った

推進派の男は落ち着くように宥めるが現場監督は 興奮気味の状態で脇にあったツルハシを手に握り
「お、お前も俺を殺しに来たのか!」と言い放ち ツルハシを推進派の男の脇腹にズンッと音を立て突き刺さる。

「ぐはぁ……ち、違う」と言い推進派の男は口から血を吐き出し膝を着き
倒れ込んだ

その後、様子を見に
行った男の帰りが遅いと思った役場と推進派の人々が見に来た時にはカラスが横たわる死体に群がっている光景が広がっていた

人の気配に気付いたカラス達は一斉に空に飛び立って行き

黒い雲は夕日の彼方へと消えていった

カラスがいなくなり
近づくと首がない死体と カラスがつっつき穴が開いた死体等が目の前に転がっているのを見て
全員唖然と悲鳴だけが
その場を包んだ。