目印になると言っていた郵便局まで、3分もかからずにたどり着く。
そして、あたしは面食らった。
赤いポストにもたれるようにしてタバコをふかす、レオの姿を見つけたからだ。
「お、やっぱ来た」
あたしに気づき、顔をほころばせるレオ。
「待ってたの?」
「うん」
「あんな強引な誘い方して、来ないかもしれないのに?」
「うん、けど」
レオはポストにもたれていた体を笑顔で立たせると、
「来たから良かった」
そう言って、ピースサインを作った。
強すぎる朝の光が、レオの白い顔にまつげの影を落とす。
笑う彼の表情と一緒に、影がやわらかく動いて、それを美しいと思った。
「俺んち、こっちね」
郵便局の横の路地を、あたしに合わせた速度で歩き始めるレオ。
光に透けた金髪を眺めながら、その少し後ろをついて歩いた。