狭いベッドの上。
重なったまましばらく動かずに、お互いの存在を確かめ合う。
「レオ……」
やがて始まった律動にあたしは呼吸を乱しながら、手を伸ばしてレオのほおに触れた。
「好きっ……」
少しでも、刻みたかった。
「好き……好きなの」
あなたを彩る全てを。
「大好き」
あたしの中に、刻みこんでほしかった。
うまく言えない言葉の代わりに、次から次へと涙が伝う。
止める術なんかもうわからなかったから、あたしは体中で泣きじゃくった。
そのとき、あたしの両目から出るものとは別の、大粒の雫がほおに舞い落ちた。
「……レオ?」
「……っ」
「泣いてるの……?」
それはあたし自身の涙と重なり、1筋になってシーツへと落ちた。
「俺もさくらが好きだ」
唇をかんで、きつく目をつぶってしぼり出した声。
レオはとめどなく涙を降らせた。
まるで、あたしにぶつけるかのように。
「好きだっ……」
そう……。
ただ、好きなだけなの。