コウタロウは赤ん坊のように、あたしの乳首を吸った。
カーテンを閉めたとはいっても窓は開けたままだったので、服を脱ぐと少し肌寒かった。
……ぎゃん!
突然足もとで悲鳴が上がり、見るとコウタロウのつま先が、大吾のシッポを痛々しく踏みつけていた。
大吾は、「何するんだ」とでも言いたげな瞳でコウタロウをにらんで、謝るコウタロウに猫パンチを食らわし、窓に向かって飛び跳ねた。
スローモーションみたいだった。
まるで忍者のごとく隣のベランダに飛んでいく大吾。
その勢いで大きくめくれ上がったチェックのカーテン。
そして突然、露になった、外の世界。
レオと目が合った。
そりゃあもう、ばっちり目が合った。
「ぎゃあー!」
無意識にあたしは叫んでいた。
なるべく窓から離れて、落ちていた自分の服で胸を隠す。
あたしの過剰反応に、コウタロウは少しだけ引いたような表情で苦笑した。
「大丈夫だって。一瞬だったから誰も見てないよ」