あたしはとっさにカーテンを閉めた。
「外国人でね、可愛いかったから」
「金髪?」
「ド金髪」
「いくら子供でも嫉妬するなあ」
「女の子だよ」
「あ、そうなの? 良かった」
コウタロウは素直に顔をほころばせて、カーテンをつかむあたしの手に、ひと回り大きいその手を重ねた。
「俺以外の男とか、見ないでね。新入生で、さくらのこと可愛いって言ってる奴がいるらしいから」
「見ないよ」
けど若い男の子は可愛いよね、と言うと、コウタロウは唇をへの字に曲げた。
このくらいのことでいちいち怒るあんたも、充分可愛いと思うのだが。