「俺はお前を……信じたかったのにッ!」
コウタロウはあたしに向かって、大きく腕を振り上げた。
「やめろっ!!」
とっさに起き上がったレオが、コウタロウにつかみかかる。
……まるで、コマ送りで見る映画のようだった。
コウタロウの体は少しだけ宙に浮いて
アスファルトの道路の上へと投げだされた。
次の瞬間、彼の姿が見えなくなったの。
聞こえたのは、こまくが破れそうなくらいのブレーキ音。
あまりにスローで。
手を伸ばせば、助けられそうだった。
届きそうだったんだ……。
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