耳もとに、レオの息がかかる。



「ごめん。さくら、……ごめん」



振り絞るような声。


一瞬、周りの喧騒が、全て止まったかのように感じた。



「……ううん」



強がることしか思いつかなくて、あたしは下手くそな笑顔で首を振った。



「レオが悪いんじゃないよ」


「ごめん」


「いいよ、謝らないで……」


「ごめん……」




……ぽたぽた、涙が落ちた。



レオが、優しくあたしの髪をなでてくれたから

もう涙を我慢できなかった。



あたしは周りの目なんか気にせず、声を出して泣いた。



レオにしがみついて

レオの首筋に顔をうずめて



子供みたいに泣き続けた。