「俺、そんなに楓に大事にされてる妹ってどんな子なんだろうなぁってずっと思っててさ、想像では『可憐なか弱い女の子』で、動物に例えると『小鳥』みたいかなって勝手に考えてたんだ。」


「勝手に変な妹像作らないでよ!」

「そうだな。望に会ってから勝手に想像で人間像を作っちゃダメだって学んだよ!」


ん?


「どういうこと?」


私は頭に“?”マークを浮かべながらメガネくんを見た。

メガネくんは腕を組み、ため息まじりに答えた。


「実際、望に会ってみたら想像の妹とは大違い!
『可憐なか弱い女の子』?そんなのどこにもいやしない。いたのはがさつで、チビで、料理もできなくて、妄想好きで、すぐキレて人に飛び掛かってくるような男女。
動物に例えると…イノシシみたいな?」


メガネくんは横目でこっちを見てニヤっと笑った。