「24年前、当時大学生だった父さんと母さんは、俺がお腹にいることがわかって結婚した。
二人とも学生だったし、お金もなくて結婚式をあげれなかった二人に俺が20歳になったとき、バイトで貯めたお金で旅行をプレゼントしたんだ。
…そして、あの事故がおこった。」
そこまで話すとお兄ちゃんは下をむいて俯いてしまった。
「でも…それはお兄ちゃんのせいじゃないじゃない!
責任感じて幸せになることを拒否しなくても…。」
「俺は小さかったのんから両親を奪ってしまった。
だから、のんが立派になるまで俺がしっかり育てるって父さんたちの葬式で誓ったんだ。
……それまで俺だけ幸せになるわけにはいかないんだ。」