「そっか。
じゃあ台本の読み合わせするか」

「OK。
じゃあ・・・しーん15?」

台本をペラペラとめくりながら美月は言った。

「そうだな。
よしやるか!
おれのセリフからでいいよな?」

「いいよ」

シーン15は、海での告白シーン。

『咲。あのときの返事だけどさ・・・俺も咲のこと好きだよ』

『悠・・・。
でも悠には美紀ちゃんがいるでしょう?』

『美紀とはもう別れた。
俺には・・・俺には咲が必要なんだよ!』

本当に言いたい言葉。

好きだと美月に言いたい。

でも美月には翔也がいる。

美月から笑顔が消えるなら今のままでいい。

「よし終了!
彰演技うまくなったね!本当びっくりした!
んじゃまた明日ね!私ちょっと疲れてるから帰るね!」