彰が海につくと美月は彰に背を向ける形で立っていた。

「あっごめん!みつ・・・」

「好きだよ?」

美月は電話している相手にそう言った。


えっ?

「私は翔也が好きだよ?」

翔也か・・・。

そうだよな。

美月が翔也以外の奴に好きって言うはずねぇよな。

大丈夫。

胸のあたりが痛いのにはもう慣れた。

スタジオの外で美月と翔也が仲良く手つないでるのも、楽屋の外で仲良く話しているのも、楽しそうにメールしてるのも。

そんな美月と翔也を見るのが嫌で彩未と付き合って、目の前にいる美月に好きと言わなくなった。

俺が好きって言って美月が泣くくらいなら、翔也といたほうが幸せに決まってる。

そう思い続けるのももう慣れた・・・はずなのになんなんだ?

この痛みはいつもと違って一番痛い。