「嘘でしょ?」

美月は彰に言った。

「・・・やっぱ美月にはかなわねぇな~。
うん嘘だよ。
本当はコンサートの練習と台本読んでたよ」


ほらやっぱり。

本当は努力家なとこも変わってない。


しばらく続く沈黙。

その沈黙を破ったのは彰でも美月でもない。

彩未だ。

「彰~なんでさきいくのよ!
部屋に行ってもいないんだもん!」

彩未は彰の腕をつかんだ。

「あ~悪ぃ悪ぃ。
さきにいってると思ってさ」

すでに二人の世界。


やめて。

やめてよ。

彰のうでにくっつかないでよ。