それからしばらく、私は晴々とした生活を送っていた。



晴々?  いや、どちらかというと悶々としていたという方が合っていた気がする。



いったん好きになった気持ちを ”さあ、やめましょ” なんて簡単に切り替えることなんてできない。





そんなある日。




親友とカラオケで熱唱中、電話が鳴った。




”もしもし”   優からだった。



”今、お前の店の前通ったんだけど、見当たんなかったから”





その頃私は、あるファッションビルで販売員をしていた。

そしてその頃、副業でDJをしていた優は、そのビルの上の階にあるレコード店をよく利用していた。




”レコード買いに?”        



”っていうか、帰ってきてたの?!”



”おう。 昨日な。”



”だから、お前んとこ来たんだよ。  お土産渡そうと思ってさ。”



”ホントに?!  あぁ、残念。。。  今日休みなんだよね。。。   じゃあさ、今からこっち来れば??”



”ダメ。  俺、これから用あるもん。   じゃあ、後でまた電話するわ。”





そうか。。。  とうとう帰ってきたのか。。。




そして、電話をくれたのは、彼ではなく優だった。。。