”もしもし?”





”あぁ。。。



どうしたの?”




彼のテンションは変わらず低い。





”あ、えーと。。。”



何を話そう。。。



そもそもなんで電話したんだ?



とっさの自分の行動に、心がまだ追いついていない。




”えーっとさぁ。。。


……………。


なんか酔っ払っちゃったんだよね~”




嘘ばっかり。



今日はいくら飲んでも酔えなかった。



おまけに、さっきの彼との電話で体内のアルコールなんてすべて吹っ飛んでしまった。





”ふぅん。”




やばい。


彼のこんな態度は初めてだ。





私は彼が少しずつ遠ざかっていくという危機を感じた。





”なんかね、酔っ払っちゃってね。。。”



必死でつないだ。





”そしたら、なんか電話したくなっちゃったー”




うわ、本当に必死だ、私。

私からこんな言葉が出るなんて。




親友からも指摘された通り、恋愛にはとことん弱気になる私。


相当頑張ってる。





”そっか。
ありがとね。”





……………。





あまり感情のこもらない彼の返答の後、しばしの沈黙。




『だから何?』と言わんばかりの、その『間』がすごくつらい。




完全に勘違いをした、いや、正確にいうと、させられた彼にとって、今の私はただの気まぐれわがまま女でしかないのだろう。




私はまさに今、自分のケツを自分で拭き取る事に一生懸命だった。