「ちゃんと幸せになってよね。そうしなきゃ、承知しないんだから!!」


「当たり前だよ…」



あたしも笑った。



花瓶の水を替えてから、扉を開けると、颯斗のお母さんと楓ちゃんが話していた。



「そろそろ2人とも帰りなさい。もう、遅いわよ…」


「はい。じゃあ…また明日も来ます」


「あたしも来ます!!」



あたしと楓ちゃんは、頭を下げた。



「颯斗…早く元気になってね…」



颯斗の手を握ってそう言い残すと、楓ちゃんと一緒に病室を出た。



「颯斗は…きっと助かるよ…」


「うん。当たり前じゃん!!」



楓ちゃんの一言に、あたしは頷いた。



「2人で、元気になることを願おうね」


「うん…」



あたしと楓ちゃんは、近くの神社に寄った。


お賽銭を入れて、お祈りをした。



─────颯斗が元気になれますように…。



あたしは、一生懸命願った。