───── 「お!陸くん、なかなかサマになってるねぇ」 「いや…サマになってるも何もどうせ顔見えないじゃないッスか」 ──日曜日。 俺は朝から アルバイト先である遊園地に来ていた。 開園前だというのに、入場ゲートには沢山の人だかりだ。 そんな様子を横目に、俺はクマのぬいぐるみの頭部をかぽりと被った。 …って、なんで俺がクマなんかにならなきゃなんねーんだよ。 第一こんなキャラじゃねぇ! こんな姿、もし姉貴にでも見られてみろ。 確実に爆笑もんだ。