「槇先輩、今日は茶色いマフラーしてたね!」

なおも振り返らない花音ちゃんにさらに私は言う。

「今日は槇先輩元気なかったな〜!」
「うるさいっ」

突然凶暴化した花音ちゃんがマフラーをぶんぶん振り回しながら私を追い掛けてくる。

怒ったときの花音ちゃんはいつもこんな感じ。

私達はそのまま空色の屋根の幼稚園まで、全力で走り続けた。