「お車までお送りします」 朔夜さんが私のカバンを持ち、歩き始める。 少し遅れて、私も歩き出す。 車までもう少し、というところで、朔夜さんは不意に立ち止まった。 「本当の私を知りたいんですよね? 見返りに… お嬢様は、何をしてくれますか?」 鋭い眼光。 「…何が、望みなの?」 息が…出来なくなる。 昨日の夜、朔夜さんが言った言葉を、私が言っている。 追い詰められたのは…どっち?