朔夜さんが来た。 微笑むだけで、今朝のこと、何も言わない。 私が、休み時間の度に呼び出しを受けていることも、わからない人じゃないのに、何も言わないで、ただ微笑んでいるだけ。 その口元にばかり、目が行く。 昨日のモヤモヤした気持ちが、甦る。 嫉妬ではなく……… ……羨望? 先程の女の子の言葉が、頭に響く。 『すきなんですか?』