私は急いでその子のもとへ駆け寄った。 「さっきは有難う」 私からのお礼に対し、彼女は寂しそうに微笑んだ。 「連絡、とれたんですね」 そう言うと、彼女は私を促した。 「ここは目立つし……どうせ授業には間に合わないから、場所かえて話しませんか?」 願ってもない申し出だった。 私が頷くと、彼女はゆっくりと歩き出した。