雅は顔から笑顔を取り去った。



「朔夜さんは、お父様の会社を継いだの。

マスコミに随分叩かれたけど、存続はしていたから。

会社には、新しい顔が必要だった」



そこで一旦、口を閉ざした。



「もしかして、体育祭のときの電話……」



私は思い当たった。



あの時の敬語での電話。

その後の外出と休暇。

全てはこのためだったの……?