あの時の子が朔夜だったんだ……。



「あれから色んな女と、キスやそれ以上のこともしてきたけど……


綾香のことばかり思い浮かんで。



執事になって逢った綾香は、やっぱり清らかで……


だから、綾香に近付くなんて許されない。


でも俺から綾香を忘れることなんて出来ない。





だからいっそ、綾香嫌われれば……と思ったときもあった」



「学校でのこと……?」



朔夜は目をそらしたまま、小さく頷く。