私は紙を大切に折り畳み、学校を出た。 近くの公園で、携帯を取り出す。 090…… 震える手。 間違えないように、慎重にボタンを押していく。 通話ボタンを押し、そっと耳に当てた。 コールが鳴る。 授業中……だよね……? 携帯を切ろうと、耳から離した瞬間。 『はい』 落ち着いた朔夜の声が聞こえ、私は息をのんだ。 『……もしかして、綾香?』