後夜祭は強制ではないため、しばらくすると、帰る生徒もちらほら出てきた。 朔夜は帰る素振りもない。 私がいるからだろうかと思い、勇気を振り絞って朔夜に声をかけた。 「朔夜、そろそろ帰る?」 朔夜は頷いた。 「俺は用事があるから、綾香は先に帰れ」 用事?と思ったが、相変わらず質問が許されるような雰囲気ではなく、私は黙って頷くしかなかった。