初美さんは、私のことが目に入ってなかったようだ。 正確に言えば、朔夜以外見えていない振る舞いだ。 まだ日陰なんかは肌寒い季節なのに、大胆に肌を露出させるような服を着ていた。 「ドラキュラ、格好いいね」 本当なら、私が言いたかったセリフを言ってのけ、腕を朔夜に絡めようとした。