あたし達に気付いた陀羅ばあちゃんは――にこりともせず、
ただ、静かに待っていてくれた。



「−…はぁっ」


あたし達は、しんどいはずなのに、陀羅ばあちゃんを近くで見るなり質問の嵐を浴びせた。


「陀羅ばあちゃん!大丈夫なのっ!?」

「なんで武器がいるの?」

「なんでこんなとこにいるの?」


…二人で質問攻め。


でも陀羅ばあちゃんは、
涼しい顔で、「ついておいで。」と言って、博物館の中に入って行った。


あたし達は何かを察して黙って頷いて、陀羅ばあちゃんの後に続いた。








―――――世の中はまだ、平和だった。