―――行っている途中、あたし達はほとんど喋らなかった。



というか、心配で喋れなかった。




―――陀羅ばあちゃん、無事でいて―――


危険な状況かどうかわからないのに、なぜかあたしはそんなことを思った。



その時




「あ!」



と、梓衣が叫ぶ。



見ると、梓衣はある建物を指さしていた。