「これ……」
珠奈は、その資料を手にとって見てみた。
パラ………
…この資料には、あたしが生まれた時の事が書いてある。
あたしが生まれた日………
「うわ……」
………最悪だ………。
なんと、紛争が終わってまた次の国と戦争をするところだった。
あたし、そんな大変な時に生まれたの!?
驚いたり、悲しんだり……あたしの表情はコロコロ変わる。
……でも、そんな大変な時期に産んでくれたお母さんに、感謝しなくちゃ………
あたしのお母さんは、あたしが小さい時に死んでしまった。
大きな地震があったんだって。
お父さんは、戦争に行って死んでしまったらしい。
そんなあたしを引き取ってくれたのは、軍人強化所。
「軍人」って付くぐらいだから、人手が足りなくなったら、戦場に行かなければならない。
もちろん、子供でも。
兵器を持たされ、戦わされる。
あたしも、梓衣も―――――…
本当は、不安でしょうがない。
いつ呼び出しが来るかわからないからだ。
だから、心の準備も出来ないまま行く。
そして、帰って来ない。
最近は帰って来る人もちらほらいるらしいけど、ほとんどが帰って来ない。
だから、戦争は嫌だ。