私達が住んでいた日本には、
「名字」と「名前」というのがあったらしいのだが、今はもうない。
大規模な紛争が続くごとに人口が減り−−−−…………
………今は、パソコンやいろんな機械でその人を割り当て探し出し、殺すことだって出来る。
そして人口が減ったということは、割り当てやすくなったということで、
危険が増えたということ。
だから日本政府は、偽の名前をつけた。
日本には1000人ほどの生き残りがいて、そのうちの450人ほどが女性だった。
大勢の人が死んでいった中、まだ戦いは終わっていなかった。
兵器が一番集まっている国との戦争。
1000人に偽名を渡すのが面倒だと思ったのか、なぜか偽名を使うのは女性だけになった。
−−−あとから聞いた話だと、男性に偽名をつけても、戦いに行ったらもう呼ぶことはなくなるからなんだって。
戦いに行くと、帰って来れる確率は、0なんだって。
行ったら、終わりなんだって−−−−−−−
だから、最後ぐらいは元の名前でないと可哀相だ、と政府は思ったんだろうな。
そして、戦う人がいなくなり、戦いは終わった。
結果はもちろん負け。
なんのために戦っていたのかわからなかったから、みんなムダ死にだと思った。
今でもそう。
もう少し偉い人がいたなら−…
あの酷い戦いはなかったかもしれない。
大切な人を失わずにすんだかもしれない−−−…