その日は珍しく、朝から施設が慌ただしかった。

でも全然気にならなかったから私は夢中で遊んでいた。


これから起るできごとに気付かないで―。



夕方になっても、騒がしいままで きぬさんが


「今からねぇ、お母さんが迎えに来るんだよ。」


と、私に説明した。


どうせ誰かの親が迎えに来るんだろう。


きぬさんを適当に流して、私はご飯を食べにいこうとした。





本当なら、ご飯を食べて明日施設で誕生日会をするはずだったのに―。





これからもずーっと施設で普通の生活をするはずだったのに―。





「花菜っ!」


この人の一言で私の人生はめちゃくちゃになった。