私、花菜は普通の女の子になれなかった子。

ううん、普通の女の子だったと思っていた可哀相な女の子。


10年前の今日、普通の女の子じゃなくなった。


今から10年前、私は他の人と違うってことを知ってしまったんだ。


普通の女の子じゃないと言うことを。





生まれてから10才になる一日前まで私は、施設で育てられた。


施設のおばあちゃん先生 きぬさんは、私は菜の花畑で生まれたって言っていた。


雨の日にきぬさんが買い物をした帰りに菜の花畑を通ったら、泣き声が聞こえたって。


だから花菜って言うんだよって。


「要するに捨てられたってことでしょ?」


私は子供心にそう思っていた。


世間から見れば「親に捨てられた可哀相な子」なのかもしれない。


でも、友達は優しくて遊ぶ事だってできるし…楽しくて幸せだったのに―


幸せは一瞬で崩れ落ち、二度と戻らなくなってしまった。


私に幸せをくれなかった神様は私のことが嫌いなのかな。