お母さんは


何も言おうとしない。


あたしが聞いても


何も言わない。


ただ


[まさか・・・


たかひろくんが・・・]


しか言わない。


何が起こっているのか


見当もつかない。


それからお母さんは


お父さんに泣きつくばかりで・・・


でもある日、


お母さんは全てを、


・・・話し始めた。


それは


たかひろのいる場所が


分からなくなってから


今日、この日までの


長い話。


でもあたしは


どれだけ長くとも、


愛しいたかひろに関する


はなしを


食い入る様に聞いた。


それは、こんな話だった。