そこには女物のピアスが落ちていた



美香は無表情でピアスを拾い上げ
親指と人差し指でコロコロと転がした



『何…これ…?』



美香はいつになく冷静な声で言った


まるで思考停止してしまったロボットのように…



『え…美香の…じゃない?』



弘樹も冷静に答えた


しかし、その表情が全てを物語っていた



額からは汗が吹き出し目が泳いでいる



『なんで隠すの?私ピアスしてないじゃん…』




『あ…いや…その…』



弘樹はしどろもどろになり答えれない



『もういい!』



美香はピアスをたたき付け部屋を出て行った



………