弘樹はいつになく真剣な眼差しで美香を見つめたまま口を開いた 『そっち…行って良いかな?』 弘樹の言葉に美香は息を飲んだ 今まで男女が一つ屋根の下で時間を共にし、そんな雰囲気にならなかった事自体が不思議だった 美香は黙ったまま顔を赤らめ頷いた 弘樹は部屋の電気を小さくしてテレビを消した 美香の心臓は今にも爆発しそうなほど高鳴った いつかはこの日が来ると覚悟していた美香も緊張が隠せなかった ………