(もしもし…)



受話器の向こうから聞こえてきたのは彼氏の弘樹だった



美香のテンションが軽く上がった



『もしもし弘樹!どしたの!?』



(何してるん?)



『今、三角公園の前の道歩いて帰ってるよ』



美香は近くにあったベンチに腰を掛けた

歩きながら話すのは失礼だと思ったのだ



(会おうよ〜。)



弘樹は少し甘えた口調で言ってきた



美香は受話器越しに『う〜ん』と困って見せる



絢香の事が頭にあるため、なるべく一人の時間が欲しかったのだ




(だめかな…?)




弘樹は今にも泣きそうな声を出した




………