「ちょっと開けて~」
息を切らしたエリの声が聞こえる。
玄関を開けると荷物をいっぱい抱えたエリがいた。
車にまだ積んでいるらしく
「リョウ手伝って」
と行って車から荷物を降ろした。


中を見てみると、炊飯器やら生活に必要なものが入っていた。
「どうしたの?」
と聞くと
「うちのオカンが使ってないから…だって」

エリのお母さんは私にとって、第2の母だ。学校に通っているときから良くしてもらっている。悪いことしたら遠慮なく叱ってくれて、泊まりに行ってもお客さん扱いはしないで、本当の母親みたいに接してくれる。


二人とも明日も学校なので帰っていった。
まだ、1人に慣れていない私…。
リョウに「一緒に住みたいって言えたら…」と思ってしまう。