「……ねぇ、君の絵を描かせてよ。」


気が付くとふと口をついてそんな事を言っていた。

風理は群青色の瞳を真ん丸にして僕を見ていた。

そしたらなんだか自分がひどく恥ずかしくなってきて慌てて言った。



「やっただの趣味だから普通にしててくれるだけで良いんだけど……一応許可を…」

「良いよ。」

さらりと、至極あっさりと申し出は承諾された。



こんな事を言って置いて、なんで今日に限ってスケッチブックを忘れて来たんだ。

理由は簡単。ちょっと焦ってたんだ。
なんだか風理と会った事が幻かもって。












とりあえず、風理の絵を描くのは明日からだ。