…って何度か訊いたことはあるんだけど…、
「女のコが新種のエビの化石を発見して、“ナツミなんとか”って、そのコの名前が学名として付けられたみたいだよ」
…ってハナシを1度聞いただけだから、たぶんまだ見つけてないんだと思う。
「なにが入ってるのか知らんが、そんなの、さっきパパたちの手荷物といっしょに預けとけばよかったんじゃないのか?」
大事そうにバスケットを胸に抱え込んでいるあたしに向かって、パパは呆れ顔でそう言うんだけど…、
「あのねぇ、パパ。このバスケットの中には世界にたったひとつだけの“オンリー1”が入ってるんだよ。預けたりして、もし全然別のところの荷物とかに紛れ込んだりしたら、たいへんでしょ? 分かる?」
…って、まるで分かっていないパパを少しバカにしたような感じで言い返すあたし。
「やれやれ……愛は、その“going my way(わが道を行くの意味)”なところを、少し治したほうがいいと思うぞ」
「ママもそれが心配よ。日本に帰って、みんなとうまくやっていけるかどうか……」
「二人とも白髪が増えるよ♪ みんな幼なじみだし、スグ昔みたいに戻れる、って♪」