先生が止めるのも聞かず、教室を飛び出したあたしはダッシュで走った。

“お願い、ロム! バカな考えは起こさないで! あんなオンナにフラれたくらいで死んじゃうなんてバカげてるよ! ロム、お願い、死なないで!”

祈るような気持ちで廊下を走り、そして屋上への階段を一気に駆け上がり、そのままの勢いで屋上に飛び出したあたし――――



      ×      ×      ×



ハァ、ハァ、ハァ…

肩で息をしながら、キョロキョロとあたりを見渡す。

廊下を猛ダッシュしたうえに、一気に階段を駆け上がったせいか、頭がクラクラして気分が悪い。お昼ごはんのあとだし、全部throw up(スロー・アップ=吐く)しちゃいそうなくらい……。

「うっ…」

クチをハンカチで押さえながらロムを探す。

“ロム、生きてるよね? 飛び降り自殺なんかしてないよね? ダメだよ、ダメ! 死んだりしたら絶対ダメだからね!!”


「…!!!」