ロムはなんか変わってるってゆーか、みんなの中で、いつもワンテンポ遅れてる感じで、ぶっちゃけ、なに考えてるのか分からないみたいなところがあったりするんだけど、こーして話してみると、ロムはあたしたちとはイイ意味で“違うところを見ているヒト”なんだな、ってそのとき気がついた。


「じゃあさ、ロム、あたしのために化石を見つけてよ♪ そしたらさ、あたし“クリスザウルス”って名前にするからさ♪」

「ええっ…なんでボクが見つけたのにクリスの名前が付くんだよぉ」

そう言ってクチをとがらせるロム。

「だったら2コ見つけたらいーじゃん♪ そしたら1コはロムの名前を付けて、もう1コをあたしの名前にできるしさ♪」

「あのねー、新種の化石はそう何個もゴロゴロ出てきたりしないよ。名前が付けたかったら、クリスも自分で探せばいーじゃん」

「チェッ、ロムのケチ!」

「ケチとかそーいんじゃなくて…」

「じゃ、今度、化石の発掘に行くときは、あたしもゼッタイ連れてってよ」

「それならいいよ」

「約束っ!」

「うん」