なのにアシくんはブチ切れたあたしとは正反対に、穏やかな笑顔を浮かべてこう言った…、

「そっか、ドキドキしてるか」

…って。


穏やかというより、なんかノンキそのものって感じさえする。

そして、その感じが余計、あたしの怒りの炎に油を注ぐ。


「当ったり前でしょっ!」


だけど強い口調で言われても、彼はまったく動じる感じがなかった。

そしてノンキな感じでこう言った…、



「ドキドキするのは、クリスがちゃんと生きてる証拠だ」



…って。


「ドキドキするのは…生きてる証拠……」

思わず彼が言うのを繰り返していた。