「すいませーん! さっきのはウソです! 冗談です! このヒト、リアクションが面白いから、つい、からかっちゃいました!」
「なんだ、ウソかよ…」
「…ったく人騒がせな……」
「これだから今どきの女子高生は…」
みんなは口々にボヤきながらも、何事もなかったように各々もとの状態に戻った。
「よかったね♪ 痴漢の容疑が晴れて♪」
「…ってお前が言うなっ」
「フフフッ…」
そして…、
「ありがとうございました~!」
美容院を後にしたあたしは、それからしばらくして美容院に電話をかけた。
するとまもなく彼が美容院から出てきた。
「どぉ? あたしの作戦どおり、うまくいったでしょ?」
「まさか、俺の家族になりすまして“おやじが事故って病院に運ばれた”なんて言うとは思わなかったよ」