ビックリして抵抗するあたしだけど逃げられない。これが男のヒトの腕のチカラなの?

そんなあたしにかまわず、抱き合うカタチであたしの左耳の上にあるロムのクチから、さらにあたしを驚かせるような爆弾発言が飛び出してきた……、



「高校を卒業したら……結婚しよう」



静かな、そして落ち着き払った声だった。

「…!?」

あたしはなんて答えたらいいか分からなかった。

けど、それは“Yes”と答えるか“No“と答えるか分からないという意味じゃない。

返事は決まってた。

ただ、今の気持ちをうまく言葉に表現できなかっただけ。

だからアクションで気持ちを示した。


“ぎゅっ…”


さっきまでロムのカラダを押しのけようとしていた両手を、今度は彼の背中を包み込むようにゆっくりと回すと、彼を引き寄せるように強くやさしくチカラを込めるあたし。